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「フレームワーク思考」の嘘

公開日: : 最終更新日:2014/01/20 思考法


前回と前々回の記事で、「フレームワーク」という言葉を多用しました。

しかし、そもそもフレームワークとは何か?ということについてご説明していませんでした。しかし、昨日書店で以下の2冊を目にし、ひょっとしてフレームワークの何たるかが誤解されているかもしれない、と思いました。

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また、以下のような記事にも強い違和感を感じました。

私がこれらの本/記事に違和感を感じたのは、フレームワークという型を覚えればそれをビジネスのあらゆる場面で応用可能というような口ぶりで書かれている点です。もちろんそういう側面も否定はしませんが、出来合いのフレームワークをそのまま活用できることは稀です。更に言わせてもらえば、お勉強で身につけた教科書的なフレームワークをドヤ顔で振り回すのは相当イタいです。ましてや、戦略ファームの面接では絶対にNGです。

そもそも、フレームワークとは何でしょうか。上で紹介した、「社会人なら押さえておきたいフレームワーク思考」という記事には、

「フレームワーク思考」とは、情報分析、問題発見や、問題解決や戦略を立案する際に利用する「思考の枠」のことを指します

とありますが、これはこれで正しいです。このサイトで言えば、【フェルミ基本】日本のコンビニ弁当市場の年間売上は?(回答例)でご説明した、

コンビニ市場0

というのも例えば一つのフレームワークです。大事なことは、たくさんのフレームワークを「覚える」のではなく、状況に応じて自分で「生み出せる」ことです。例えば、出来合いフレームワークの代表格として語られることの多い、「3C分析」とか「SWOT分析」とか「5 forces」ですが、しっくり来る使われ方を見たことは皆様どれだけございますでしょうか。

例えば3C分析とは、「市場(Consumer/ Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」のそれぞれについて分析を行うことを指します。これは非常に重要な観点で、このいずれの観点が抜けても不完全な戦略だと言えます(「市場は膨大かつ成長しているが、大手の競合が強すぎて参入できない」「当社が業界トップで競合を突き放しているが、市場は縮小を続けており消滅寸前」等)。しかし、「当社は○○事業で○○すべきです。3C分析をしました。市場は○○で、競合は○○で、当社は○○ですので、この戦略が上手くいく可能性は高いです」といった説明に違和感を感じるとすれば、この語り口が3つのCを同等に扱っているからです。戦略検討においてはいくつかの重要な論点があるはずで、それは3つのCのうちのどこにあるかはケースによりますが、論点にフォーカスした論点ベースの思考でないと、インパクトのあるアイディアは出てこないものです。即ち、上記の語り口の何がおかしいかと言えば、問題/課題の構造を明らかにした上で、論点にフォーカスするアプローチになっていないことです。

実際、上記のような説明でも「ふむふむ、市場・競合・自社の全てが明らかになったな。何だかすごく全体像が掴めた気がする」と納得してしまう上司もいると思いますが・・・。大事なことは上司を説得することではなく、ビジネスで成功することですので、論点/仮説ベースの考え方を身につけることと、自分で必要なフレームワークを適宜作り出せるようになることをお勧めします

実際、戦略コンサルタントが顧客に提出する報告書の中で、「3C」「4P」「5forces」「7s」「SWOT」といった単語が書かれていることはまずありません(「これらの言葉を使ってはいないものの、調査/分析した内容はつまりそういうこと」ということはありますし、コンサルタントが頭の中で考える時に、「何かヌケモレないかな?3Cでいうと・・・競合の部分の検討が足りないな」といった使い方はあります)。これ即ち、これらの「フレームワーク」を覚えること自体にあまりバリューはないということです。

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論点思考
評価:★★★★★
コンサルタントの頭の中は、常に「論点」と「仮説」で埋め尽くされており、応募者にもその思考法を求めてきます。論点とは即ち答えを出すべき対象で、特にその中でも重要度の高いものを指し、仮説とはそれに対する仮の答えです。ケース面接では、この論点と仮説を如何に整理してぶつけられるかが勝負となります。本書でを使って、「論点とは何か」「どのように論点にフォーカスして思考を進めるのか」を習得することは必須です。

 

仮説思考
評価:★★★★★
縦横無尽な調査を行った後に答えを考えだしていくある意味で「普通」の思考法に対し、まず論点にフォーカスして仮の答え(仮説)を考えだした上でそれを検証していくという「仮説思考」の思考法は、一般的な感覚からするとある意味気持ち悪く、実際のところ中々習得が難しいものです。しかし、ファームでは新入社員にも常に自らの仮説を提示することを求められますし、この出来・不出来がコンサルタントの評価を大きく分けますので、遅かれ早かれ学ぶべきものです。

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