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【フェルミ基本】日本のコンビニ弁当市場の年間売上は?(回答例)

公開日: : 最終更新日:2014/01/20 フェルミ推定系ケース


さて、前回の記事で、フェルミ推定系のケースでは顧客(消費者目線)で考えることが最も重要であり、例えば本問では以下のフレームワークで考えていきたいということをご説明しました。

コンビニ市場0

更に、消費者目線の考え方を少し深めてみたところ、「人によってコンビニの利用回数も利用金額も違いそう」ということも何となく分かったところです。即ち、上記のフレームワークを、「人口」の部分を細かく分けることで進化させることができそうだということです。ここでの論点は、大きく以下の2点です。

  • 論点1:どのようなセグメントに分解するべきか?
  • 論点2:各セグメントの消費行動はどのように想定すべきか?

コンビニ市場1論点1:どのようなセグメントに分解するべきか?

この論点への答えは、「消費行動が大きく異なるセグメント毎に分解する」です。前回の記事で、親元にいるか否か、既婚の有無、性別、年齢等によってコンビニ弁当の購入行動が違うのでは?という仮説を検討しました。即ち、以下の仮説です。

  • 親元にいる世代は家か学校でご飯を食べることが多い
  • コンビニ弁当のメイン利用者は、成人未婚者
  • 女性は健康志向が強く、(一部で健康志向のコンビニ弁当も出てきてはいるが)男性よりもコンビニ弁当利用は少ない
  • 高齢者はより健康志向が強く、コンビニ弁当を買う習慣も薄いためコンビニ弁当利用が少ない

この仮説に基づいて、以下のセグメントに分解してみます。

コンビニ市場2

分解を行う上では、以下のことに気をつけるべきです。

  • 仮説があること
    • フェルミ系のケースに慣れている応募者の中には、「とにかく計算すりゃいいんだろ!」というような態度で、「年齢と性別で分解しました!」というような説明をするような人もいるのですが、「それって何で?」という疑問に答えられないと、ただ「ケース慣れしている」という烙印を押されてしまいます
    • 即ち、作業的に「分解しました!」と言うのではなく、分解の前提となっている仮説を説明すべきです。もっとも、これは「見せ方」の話にすぎず、実際に考えた上で分解している場合もあるのでしょうが・・・
  • 複雑にし過ぎないこと
    • 上の分解は、ある意味すごく単純であると言えます。「0〜20才」で区切るよりも、大学入学と同時に1人暮らしが増える「0〜18才」で区切った方がより精緻でしょうし、「0才〜5才ぐらいは少なくとも殆ど食べることはないんじゃないか?」とも思いますし、既婚率もコンビニ利用志向も異なる「20才〜60才」を一括りにしているのも、かなり粗いです。しかし、ケースでは通常5〜10分程度しか与えられませんので、大きなポイントを押さえることにフォーカスして、上記のような懸念は口頭で述べるに留め、更なる精緻化は時間があればにすべきです
    • 限られた時間内に、重要度の高いポイントにフォーカスするというのは、実際のプロジェクトでも同じことです
  • MECEであること
    • MECEは有名ですのでご存知の方も多いと思いますが、「モレなくダブりなく」分けるということです。日本の人口を1億2千万人と想定するのであれば、分解したセグメントの合計がキチンと1億2千万人になっている必要があるということです
    • MECEに分けることは必須ではありますが、あくまで前提条件に過ぎません。つまり、「MECEに分けられていなければお話にならないが、分けられているからOKということでは全くない」ということです
    • 基本ですので、ご存知でない方はロジカル・シンキングから始めて下さい

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論点2:各セグメントの消費行動をどのように想定すべきか

次に、消費行動(コンビニ弁当利用頻度と平均購入金額)について考えてみます。それぞれのセグメントの人数は、日本の人口を1億2千万人と考えて、0才〜80才まで均等に人数がバラついているとざっくり考えます。例えば、0才〜10才の男女の合計は、1億2000万人を8で割って、1,500万人と考えます(「人口の分布は釣鐘型だ!」とか、「80才以上でも存命の方はいるじゃないか!」とか、色々突っ込みどころはありますが、そんなのは論点ではなくて懸念点です。なるべく計算が簡単になるようにやりましょう。ここで重要な仮説は、上に挙げている通りなのですから)。

例えばこんな風に考えます。

  • 20才以下は多くの人が親元にいて、朝食・夕食は殆ど家で食べるだろうな。昼食は学校で弁当か食堂だろう。食べるとすれば、土日に部活等で外出して家に戻らない時とか、親が働いているとか夕飯を作らない日に食べることがあるぐらいだろう。粗いけど、親が働いている人が全体の半分として、週1回ぐらい食べる、と一旦想定。子供はお金がないから、サンドイッチとかおにぎりを2〜3個と飲み物を買うぐらいで、平均単価は400円としよう

とにかく、色々考えます。自分の経験とか、友達の消費行動とか、色んなものを思い起こしながら各セグメントの生々しい消費行動をくっきりと考えていく。そうしていくうちに、セグメントの分解を修正・進化させたいと思えば、時間が許す限り修正すして下さい

とりあえずの回答と、選考通過に至るまでのポイント

コンビニ市場3

で、色々な想定を置きながら電卓を使って計算していくと、年間約2.3兆円と試算されました。経済産業省の商業統計によると、2011 年のコンビニ売上は「加工食品」が2.4兆円、 「FF・日配品」が2.9兆円とのことで、この中の大部分を「コンビニ弁当」が占めると考えれば大体の桁感は合ってそうです(ケースの回答例ですので、もし実際の統計と規模感がズレていれば多少修正しようと思いましたが、一発で上記の結果となりました笑 まあ、かなり粗い試算なので「たまたま」という側面もありますが、論点を押さえているからこそ大きくブレない試算ができたということです)。

お気づきかと思いますが、ケースで大事なのは、答えを当てることではありません。このケース面接で面接官が評価を行うとすれば、

  • 仮説に基づいて、大枠のフレームワークを示すことができるか
  • 仮説を深めて、フレームワークを適切に進化させることができるか
  • 時間内に、違和感のない回答を出すことができるか
  • 上記の思考の流れを、シンプル&クリアに伝えることができるか
    (ホワイトボードか紙に書いて説明できるのがベスト)

ということがまず、足切りになるかどうかの大前提となります。余程キラリと光るものを感じない限り、上の4つができていなければその時点で足切りです。上の4つができていた上で、面接官は通常追加の質問をしてくるはずです。例えば

  • もっと時間があったとすれば、どこを精緻化できますか?

この質問には、上記の通りクリアな思考の流れで答えに至っていれば、むしろ計算上・時間上の都合から簡略化した部分が多いはずですので、やむを得ず簡略化した部分を、優先順位をつけながら伝えればOKです。例えばこの例では、

  • 20〜40才では既婚率もコンビニの利用志向も異なるはずですので、ここを細分化すればもっと精緻化できます
  • 0〜10才は10〜20才とは異なり、よりコンビニを使わないはずですので、本当であれば分けるべきです
  • 「所得」というのも重要な要素のはずで、年収がかなり高い人はコンビニの利用が減る一方で、利用する際の平均単価は増えそうですし、年収がかなり低い人は少なくとも平均単価は減りそうです

等々。この質問に対するスピード感と優先順位のつけ方が、合否を分ける上での最大のポイントになります。

この通り、フェルミ推定系のケースは基本的に簡単で、訓練さえ積めば確実に答えることができてしまいます。それだけに、「ケース慣れ」している応募者も多く、なかなか真贋が判別できないため、最近ではフェルミ推定系のケースを出さないことも多くなってきているように感じます。また、付け焼刃のケース対策をしているなと感じる応募者には、以下のような質問を出すこともあります。

  • 他の考え方で試算するとすれば、どのように行いますか?

これに対しては、フレームワークに立ち戻って、「消費者目線ではなく供給者目線で考えるとどうか?」「『人口』を分解するのではなく、『世帯』を分解してみたらどうだろう?」と、そこまで考えてきたフレームワークを眺めながら、どの要素をどのように変えられる可能性があるか?ということを考えていくとよいでしょう。要は、そのようなモノの考え方をしながら、「切り分けたり」「深めたり」する人なのだ、ということがしっかりと伝わることが一番大事なのです。

繰り返しますが、フェルミ推定系のケースは最も簡単な問題ですので、例えば

  • コンビニ企業が売上を上げるには?

というような問題の方が最近では出されることが多いでしょう。これについては他の記事で説明していきたいと思います。

———————————

フェルミ推定系は、訓練が一番大事です。実に面白く無い本ですが、沢山の例題をこなすことでフェルミ系には間違いなく自信が持てるようになるはずです。

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